厚生労働省は9日、年金特別会計の2018年度収支決算を発表した。

 時価ベースで見ると、会社員らが加入する厚生年金が2兆4094億円の黒字、自営業者らが加入する国民年金は772億円の赤字となった。国民年金の赤字は15年度以来3年ぶり。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の公的年金運用益が前年度から縮小したことが影響した。厚生年金の黒字は3年連続。

 同省は国民年金の赤字転落に関し、GPIFの運用益を含まない簿価ベースは黒字で、積立金も取り崩していないことから、「給付額への影響はない」と説明している。

 GPIFの18年度運用益(手数料など除く)は厚生年金が2兆2131億円、国民年金が1328億円で、計2兆3459億円。前年度から8兆円弱減少した。米中貿易摩擦による株価下落で運用益が下振れした。

 厚生年金では、保険料収入が約1兆円増加。景気回復や短時間労働者への適用拡大で、被保険者数が増加したことが要因となった。

(2019年8月9日 時事通信)

※国民年金の赤字を厚生年金がカバーしたという構図。「給付額への影響はない」とのことだが、影響が出るようでは困る。今後は国民年金の会計も黒字にしていってほしい。